Vzマクロ道場へようこそ

 VZエディタは本来プログラムなどのテキストデータを効率よく作成するための道具ですが、その高速さ、軽快さ、多機能さ、多機種対応、低価格、ソースの公開、誠意あるサポートによって熱烈な支持をえて、高速ワープロとして利用する人が激増しています。

 VZが内蔵している強力なマクロ機能(簡単なプログラム言語)を使いこなせば、テキスト処理に関する限り、出来ないことはないと言ってもよいでしょう。アウトライン機能や脚注機能やハイパーテキストをお望みなら、専用ソフトを購入しなくても、それらをVZ上で実現するマクロがフリーソフトウェアとして公開されています。あなたの用途に合うように改造することもできます。自分で一から作るのもよいでしょう。

 しかしながら、マクロといえどもプログラミングの端くれ。ましてや、VZのマクロは本職のプログラマでさえ逃げ出すという曲者です。いわゆる文化系ユーザーには手には負えない……と考えがちですが、そこはそれ、他の言語を知らなければ比較のしようがありません。MS-DOSさえろくに知らないのにブック型パソコンといっしょにVZを購入して、いきなりマクロに手を染めて、パソコン通信ネットのVZ関連会議室で議長役をつとめたことのある筆者(経済学部卒)が言うのですから間違いありません。

 ここで本書の出番となります。筆者の経験に照らして、プログラミングの経験がない読者にも理解できる平易な解説をこころがけたつもりです。抽象的な解説やテストのためのテストマクロはできるだけ避けて、実用的なマクロを豊富に示すことによって、読者の自然な推理力にゆだねる方針をとりました。

 本書中にリストを掲載したものを含めて、多数のマクロを付録ディスクに収録しました。マクロ道場の試練に耐えきれなかった人も、これらのマクロを利用してVZをパワーアップするだけなら簡単です。

 近い将来、あなたが作ったマクロとお目にかかる日を楽しみにしています。

1992年12月 上村 郁夫